丸石サイクル関係の事件って何があったの?
自転車メーカーとして長い歴史を持つ丸石サイクルですが、過去にはさまざまな事件やトラブルがありました。
特に2004年の上場廃止や倒産、2021年の工場火災や社用車の危険運転問題など、経営やブランドに大きな影響を与えた出来事が話題になりました。これらの問題を受け、公式サイトには謝罪文が掲載されることも。
しかし、一方で丸石サイクルの自転車は現在も販売されており、ユーザーの評判も気になるところです。「エンペラー」や「グラウス」などのモデルは依然として人気があり、特に通学用やツーリング用として根強いファンがいます。
この記事では、丸石サイクルが過去に経験した事件やトラブル、そして現在の評判について詳しく解説していきます。
丸石サイクル 事件の歴史

架空増資と逮捕:2004年
まず一つ目の事件は丸石ホールディングスの元社長が架空増資の疑いで逮捕されたことです。
- 2004年、丸石ホールディングス設立後に発覚
- 元社長・八木芳雄が電磁的公正証書原本不実記録の疑いで逮捕
- 架空増資により財務が悪化し、経営立て直しに失敗
もともと丸石自転車は、経営再建を目的として2004年6月に持ち株会社「丸石ホールディングス(HD)」を設立しました。しかし、その矢先に架空増資が発覚し、当時の社長・石福哲夫氏が関与していたことが明らかになりました。さらに、前社長の八木芳雄氏も電磁的公正証書原本不実記録の疑いで逮捕される事態に発展しました。
架空増資とは、実際には存在しない資金をあるように見せかけ、企業の財務状況を良く見せかける行為です。この架空増資により、丸石ホールディングスは123億円もの特別損失を計上することになりました。
結果として、同社の財務状況は急激に悪化し、資金繰りが逼迫しました。投資家の信頼も大きく失われ、経営立て直しを試みたものの、最終的には倒産に至る原因の一つとなりました。
会社の倒産:2004年
そして同年丸石自転車は資金繰りの悪化により事実上倒産しました。
- 価格競争に敗れ、中国製自転車の台頭で売上減少
- 架空増資事件により信頼失墜、123億円の損失を計上
- 2004年9月16日、銀行取引停止となり事実上の倒産
丸石自転車は1918年に創業した国内の老舗自転車メーカーで、かつては高品質な国産自転車を提供していました。しかし、2000年代に入ると、価格の安い中国製の輸入自転車が台頭し、国内市場での競争が激化しました。その結果、丸石自転車の販売は低迷し、業績が悪化しました。
さらに、2004年に発覚した架空増資事件が決定的な打撃となり、123億円もの特別損失を計上しました。この影響で資金繰りが一層厳しくなり、8月31日に1回目の不渡りを出しました。そして、9月16日に2回目の不渡りを出したことで銀行取引が停止され、事実上の倒産となりました。
また、丸石ホールディングスは財務関連資料の信頼性が失われたことから、9月4日付で上場廃止となりました。この一連の流れにより、丸石自転車の経営は完全に行き詰まりました。
中国の工場で火事:2021年
2021年には丸石サイクルの中国工場で火災が発生し、生産が一時停止する事件も起こりました。
- 2021年12月、中国の工場で火災が発生
- 翌年の通学用自転車の生産に影響
- 他メーカーに注文が集中し、品薄の懸念
2021年12月、丸石サイクルの中国工場で火災が発生しました。この工場では主に通学用自転車の生産が行われており、火災の影響で生産ラインが一時停止しました。
特に影響を受けたのは、2022年春に向けて販売される予定だった新入学用の自転車でした。火災による供給不足が懸念され、多くの小売店や消費者が代替品を求める状況となりました。その結果、ブリヂストンやミヤタなどの他メーカーに注文が殺到し、市場全体で品薄状態が発生しました。
この情報は、自転車販売店や購入者のSNS投稿などを通じて広まりました。ある購入者は、ヨドバシカメラで注文していた丸石サイクルのアシスト自転車が届くのが5月になると連絡を受け、納期の遅れを理由にパナソニック製の自転車へ変更したと報告しています。
社用車の危険運転:2021年
同年には丸石サイクルの社用車による危険運転が発覚し、問題視されました。
- 2021年、丸石サイクルの社用車が危険運転をしていると指摘される
- 調査の結果、該当の従業員が特定される
- 社内で懲戒処分が下され、警察に出頭
当初、SNS上で丸石サイクルの社用車が危険な運転をしているとの情報が拡散されました。これを受けて社内調査が行われた結果、実際に危険運転をしていた従業員が特定されました。
その後、この従業員は社内規定に基づき懲戒処分を受け、管轄の警察署にも出頭して状況説明を行いました。会社側は再発防止策として安全運転の徹底を発表しています。
謝罪文の詳細
丸石サイクルは公式に謝罪文を発表し、再発防止を誓いました。
- 危険運転の事実を認め、公式サイトで謝罪
- 該当従業員への指導と懲戒処分を実施
- 社内全体で安全運転教育を強化
2021年6月、丸石サイクルの社用車による危険運転が発覚しました。SNS上でこの行為が指摘され、目撃者からの情報が広まる中、同社は事実確認を行いました。その結果、一部報道と内容は異なるものの、危険な運転行為があったことが確認されました。
この事態を重く受け止めた丸石サイクルは、公式サイトで謝罪文を掲載し、社会に対して深く反省の意を示しました。謝罪文では、危険運転によって多くの人々に恐怖や不安を与えたことを認め、会社としての責任を明確にしました。
また、危険運転を行った従業員を特定し、社内規定に基づいた懲戒処分を実施したことも発表しました。さらに、当該従業員は管轄の警察署に出頭し、状況説明を行いました。
この問題を単なる個人の過失とせず、会社全体の課題として捉えた丸石サイクルは、社内全体での安全運転教育の強化を宣言しました。従業員への指導を徹底し、再発防止策として運転マナーの向上を図ることを約束しています。
情報元:丸石サイクル公式謝罪文
また、警察への出頭も行われ、法的な責任を果たす姿勢を示しました。この一連の対応により、企業の信頼回復を図りました。
現在の親会社
現在、丸石サイクルは中国の天津富士達電動車有限公司(Tianjin Fujite Electric Vehicle Co., Ltd.)の傘下にあります。
- 2006年、天津富士達電動車有限公司が丸石サイクルを子会社化
- 2009年、天津爱赛克车业有限公司(Tianjin Aisai Ke Bicycle Co., Ltd.)に「丸石」ブランドの事業統括を委任
- 現在も自転車や部品の製造・輸入事業を継続中
丸石サイクルは2004年の経営破綻後、事業を存続させるために中国資本の傘下に入りました。2006年には天津富士達電動車有限公司が丸石サイクルを子会社化し、経営を引き継ぐ形となりました。天津富士達電動車有限公司は、電動自転車を中心に製造・販売する中国企業で、アジア圏を中心に事業を展開しています。
さらに2009年には、同じく中国の自転車メーカーである天津爱赛克车业有限公司に「丸石」ブランドの事業統括を委任しました。これにより、丸石サイクルの経営管理やブランド戦略は事実上、中国の企業が主導する形となりました。
現在も丸石サイクルは日本国内で自転車の販売を継続しており、一部のモデルは引き続き製造・流通しています。しかし、日本市場での存在感は過去ほど大きくなく、国内自転車業界におけるシェアも縮小傾向にあります。
上場廃止になったか
丸石自転車は2004年に上場廃止となりました。
- 2004年5月26日、丸石自転車の上場が廃止(東証2部)
- 2004年9月4日、持株会社・丸石ホールディングスも上場廃止
- 財務資料の信頼性喪失と架空増資事件による信用失墜が主な理由
丸石自転車は、戦前から続く国内の老舗自転車メーカーであり、長年にわたり東証2部に上場していました。しかし、2004年に発覚した架空増資事件により、企業の財務状況が大きく悪化し、投資家の信頼を大きく損なう結果となりました。この事件の影響で、123億円の特別損失を計上することになり、資金繰りが急速に悪化しました。
こうした状況を受け、東京証券取引所は2004年5月26日付で丸石自転車の上場廃止を決定しました。これは、財務の健全性が失われたことに加え、上場企業としてのガバナンス(経営管理体制)が大きく問われたためと考えられます。
丸石自転車は経営立て直しのため、2004年6月1日に持株会社「丸石ホールディングス(HD)」を設立しました。この持株会社が丸石自転車の株式を管理し、経営再建を目指すという形を取っていました。しかし、持株会社の設立直後に架空増資事件が発覚したため、経営改善どころかさらなる信頼失墜を招くことになりました。
特に、財務資料の信頼性が担保されないと判断されたことが決定打となり、東京証券取引所は2004年9月4日付で丸石ホールディングスの上場廃止を決定しました。これは、投資家に対して正しい財務情報を提供する義務を果たせなかったことが最大の理由です。
丸石自転車と丸石ホールディングスの上場廃止は、架空増資事件による信用失墜が大きな要因でした。本来、企業が資本市場で資金調達を行うためには、投資家の信頼を得ることが不可欠です。しかし、丸石自転車は虚偽の財務情報を基に資金調達を行っていたことが判明し、これにより市場の信頼を完全に失いました。
さらに、上場廃止後も丸石自転車の経営状況は悪化の一途をたどり、2004年9月16日には銀行取引停止となり、事実上の倒産となりました。こうして、かつて国内の自転車市場を支えた老舗企業は、経営の失策と不正行為により市場から退場を余儀なくされました。
丸石サイクル 事件後の立ち位置

グラウスの口コミが良好
丸石サイクルの中でもグラウスは高評価の口コミが多く、ユーザーから満足度の高い自転車と評価されています。
- 楽天の平均評価は4.58(19件)と高評価
- デザイン性や乗り心地が好評で、特に中高生向けに人気
- 組み立て不要で配送される点が便利と評価されている

グラウスは、シンプルでスタイリッシュなデザインと機能性のバランスが取れた自転車として人気があります。特に、通学用として購入されるケースが多く、「色合いが良い」「すぐに乗れる状態で届くのが便利」といったポジティブな意見が多数寄せられています。
また、送料込みの価格設定や、耐久性の高さも好評です。一方で、「鍵がかけにくい」「サドルが少し硬い」といった指摘もありますが、大きな問題とはなっておらず、総合的には満足度の高い評価が集まっています。
エンペラーの評価が高い
エンペラーは耐久性とカスタマイズ性の高さから、多くのユーザーに支持されています。
- 長期間使用しているユーザーが多く、耐久性が高いと評価
- クラシックなデザインが飽きがこないと好評
- 汎用部品が多く、メンテナンスやカスタマイズがしやすい
エンペラーはランドナー(長距離ツーリング用自転車)としての歴史が長く、「10年以上乗っている」「中古市場でもなかなか見つからない」といった声があるほど、根強い人気があります。
特に、フレームの強度が高く、長年乗っても歪みが少ないことが評価されています。さらに、消耗部品の交換が容易で、自転車屋でメンテナンスしやすい点も、長く愛用される理由の一つです。ただし、鉄フレームのため軽量性には欠けるものの、それを補う安定感が魅力とされています。
エンペラーのデザインは、昔ながらのクラシックなランドナースタイルを維持し続けています。

多くのモデルが落ち着いたカラーリングや細身のフレームを採用し、どの時代でも人気が衰えないデザインが特徴です。
「シンプルで飽きがこない」「長年使ってもデザインが古臭くならない」といった声も多く、レトロな雰囲気が好きなサイクリストにとっては魅力的な選択肢となっています。また、ランドナー特有のキャリアやドロップハンドルのカスタマイズができるため、用途に応じてパーツを変更しながら長く愛用できる点も人気の理由の一つです。
またエンペラーは、使用されているパーツが汎用性の高いものが多く、交換や修理がしやすいというメリットがあります。
例えば、ホイールやブレーキ、変速機などは標準規格のものが多いため、全国の自転車ショップで修理やメンテナンスが可能です。そのため、「長期間使用していても、必要なパーツを交換しながら乗り続けられる」という点がユーザーに評価されています。
また、カスタマイズ性も高く、サドルやハンドル、キャリア、ライトなどを自由に変更できるため、個々のライダーのスタイルに合わせた仕様にできるのも魅力です。特に、ツーリング用途では荷物を積載しやすい設計になっており、フロントキャリアやサイドバッグを取り付けることで、長距離移動に適した形にカスタマイズできます。
電動自転車の評判は?
丸石サイクルの電動アシスト自転車は、コストパフォーマンスの高さで評価されています。
- 「ビューアシスト」「ビューピッコリーノ」「グラウスアシスト」などのモデルが人気
- アシスト力が強く、坂道でもスムーズに走行できると好評
- バッテリーの持ちや充電方法に関しては賛否あり
電動自転車の口コミでは、特に「坂道が楽になった」「長距離の移動でも疲れにくい」といった意見が多く、実用性の高さが評価されています。一方で、「モーター音がやや大きい」「バッテリーの充電が手間」といった点を指摘する声もありますが、価格を考えれば許容範囲という意見が多いです。
また、ネット購入でもしっかり整備された状態で届くことが評価されており、初心者にも扱いやすいモデルが多い点が特徴です。全体的に、コストを抑えつつ高機能な電動アシスト自転車を求めるユーザーにとっては、満足度の高い選択肢となっています。
中国製のパーツを多く使用
丸石サイクルの自転車は、多くのパーツを中国製に依存しています。
- フレームや主要部品の多くが中国製
- 日本製のパーツも使用されているが、全体的には中国製が中心
- コスト削減のために海外生産を取り入れている
丸石サイクルの自転車は、日本国内で設計されているものの、生産コストを抑えるために中国の工場で製造されることが多くなっています。そのため、「完全な日本製」ではなく、一部の部品は日本製、その他は中国製という構成になっています。
例えば、人気モデル「メナム」は中国製として販売されていましたが、他のモデルも同様に海外で生産されている可能性が高いです。ただし、これはコスト削減によるものであり、品質自体に大きな問題は報告されていません。
アウトレットを定期的に開催
丸石サイクルは、定期的にアウトレット販売を実施しています。
- 2023年10月、埼玉県吉川市でアウトレット販売を実施
- 電動アシスト自転車や子供用自転車を特別価格で提供
- 地域イベントと連携しながら販売機会を増やしている
丸石サイクルの本社がある埼玉県吉川市では、地元イベント「全国なまずサミット」「吉川市産業フェア」に出展し、アウトレット商品の販売を行っています。
- 2023.10.11
全国なまずサミット/吉川市産業フェアでアウトレット商品を販売します!
丸石サイクル本社所在地の埼玉県吉川市で10/15(日)に開催される、『全国なまずサミット2023inよしかわ』『吉川市産業フェア』にてブースを出展いたします。
丸石サイクルお知らせ
このイベントでは、通常の販売価格よりも安価に自転車を購入できるため、コストを抑えたいユーザーにとっては魅力的な機会となっています。
また、アウトレット販売は在庫処分の意味合いもあり、新型モデルの発表前後に行われることが多いです。そのため、定期的に情報をチェックしておくと、お得に購入できるチャンスがあるかもしれません。
イオンでの販売も開始
丸石サイクルの自転車は、イオンバイクでの販売が拡大しています。
- イオンバイクの専用ページで丸石サイクルの自転車が購入可能
- 通学・街乗り向けモデルを中心にラインナップ
- 期間限定セールも実施されている
イオンバイクでは、「スカイホリデーST」「グラウス」「アパッシュクロス」など、丸石サイクルの主力モデルが販売されています。特に、通学向けや普段使い向けのモデルが多く取り扱われており、購入しやすい環境が整っています。
また、イオンバイクでは定期的にセールが実施されており、例えば2025年2月27日~3月10日には、新生活応援セールとして「グラウス」や「アパッシュクロス」などが特別価格で販売される予定です。
イオンでの販売が増えたことで、消費者にとっては購入しやすくなっただけでなく、実店舗で試乗や相談ができるメリットも生まれました。これにより、丸石サイクルのブランド認知度向上にもつながっていると考えられます。