電動ファットバイクって違法？合法？
最近電動ファットバイクが街中でも少しずつ目立つようになってきましたよね。太くてがっしりしたタイヤと、電動アシストによるパワフルな走行性能は一度乗ったらやみつきになる楽しさですが、実際のところ「これって違法じゃないの？」と疑問を持つ人も少なくないはずです。特に日本では、電動アシスト自転車の使用には厳しい基準が定められているため、公道を走るためにはこのルールをしっかり守ることが重要です。
ファットバイクの電動モデルが増えている今、どのモデルが合法で、どんな条件で免許なしで走行ができるのかについて知っておくと便利です。また、最近は「日本製」の電動ファットバイクも増えてきており、ヤマハやROCKA FLAMEといった日本のメーカーも参入しています。彼らの製品は、道路交通法の基準にしっかり適合しているため、安心して使えるモデルが多いのも特徴です。
ただし、スロットル付きの車両や出力が高すぎるものなど、基準を超える改造を施されたファットバイクには注意が必要です。こうした違法改造が施されると、ファットバイクは「原付」や「小型自動車」として分類される可能性が出てくるため、免許やナンバープレートの取得が必要になる場合があります。さらに、警察も違法改造車の取り締まりを強化しており、スロットル機能の有無やアシスト力をチェックし、公道で違反走行している車両には厳しい対応を取っています。
本記事では、日本の道路交通法に基づいた合法な電動ファットバイクの基準、人気メーカーの日本製モデル、免許の要否、違法改造車への取り締まり状況など、気になる情報を分かりやすく解説します。
ファットバイクの電動って違法なの？
電動化自体は合法
ファットバイクを電動化すること自体は違法ではありませんが、日本の道路交通法に定められた電動アシスト自転車の基準を満たす必要があります。この基準を守ることで、電動アシストファットバイクも合法的に公道を走行できます。具体的には以下のルールが重要です。
- アシスト速度制限：電動アシストは時速24kmを超えると自動的に停止する仕様でなければなりません。
- アシスト比率：ペダルを漕ぐ力に対して、アシストの力は最大1:2（ペダル1に対してアシスト2）までと制限されています。
- スロットル禁止：ペダルを漕がずにモーターのみで自走する「スロットル」機能は法律で認められていません。
こうした基準により、電動アシスト自転車はあくまで「アシスト機能」による補助での走行が求められており、エンジンやモーターのみでの走行はバイクや原付とみなされます。そのため、海外で販売されているスロットル付きの電動ファットバイクをそのまま使うことは違法となり、国内では改造も含めた使用には十分な注意が必要です。これらの基準を守ることで初めて合法的に利用できるのが電動アシストファットバイクのポイントです。
免許は必要？
道路交通法に定められた基準を守った電動アシスト自転車であれば、免許は必要ありません。つまり、モーター出力やアシスト速度、アシストの比率が法的に認められた範囲内に収まっている電動アシストファットバイクは、自転車とみなされるため、一般的な自転車と同様に免許なしで公道を走行できます。
Ｑ：運転免許は必要ですか？
Ａ：見た目はバイクですが、免許もナンバーも不要です。道路交通法に準ずるアシスト比率で設計されています。一般的な自転車と同じようにお乗りいただけます。
しかし、問題となるのは、これらの基準を超えてしまう電動アシストファットバイクです。たとえば、モーター出力が基準を超えている場合や、ペダルを漕がずにモーターだけで走行できる「スロットル」機能が搭載されている場合、このようなファットバイクは「原動機付自転車」や「小型自動車」として分類される可能性があります。具体的には、モーターの出力やアシスト速度が高すぎると、法律上は自転車ではなくエンジンを搭載した車両とみなされるため、原付免許や小型自動車免許が必要になります。
また、こうした基準を無視した違法な改造や、基準を超える出力を持つファットバイクを無免許で運転した場合、法律上は「無免許運転」とみなされるリスクがあります。無免許運転は重大な交通違反として取り締まり対象となり、罰則が科せられるため、電動ファットバイクの購入時や改造時には必ず法律に適合した仕様かどうかを確認することが重要です。
公道は走れる？
電動アシスト機能が法的基準を満たしている電動ファットバイクであれば、公道での走行は認められています。これは、一般的な電動アシスト自転車として分類されるため、法律で自転車の走行が許可されている道路で自由に使用することが可能だからです。したがって、道路交通法に準拠して製造されたファットバイクであれば、特に問題なく日本の公道を走ることができます。
しかしながら、違法に改造された電動ファットバイクや、日本の基準に合わない仕様の海外製ファットバイクの場合には注意が必要です。たとえば、海外モデルには日本の基準を超えるアシスト力を持った車両や、時速24kmを超えてもアシストが続くようなものが存在します。
公道を走るには運転免許はもちろん、ナンバープレートやミラーのほか、前照灯、ブレーキランプ、方向指示器（ウインカー）などの装備が必要だ。自動車損害賠償責任（自賠責）保険への加入も求められ、ヘルメットの着用が義務づけられている。
https://mainichi.jp/articles/20220609/k00/00m/040/260000c
このような車両は、日本国内の基準に適合していないため、公道での走行は法律で禁止されています。こうした基準外のファットバイクは、私道や私有地での使用のみが認められ、公道での使用は厳禁とされています。したがって、基準外の電動アシスト車両を公道で走らせることは違法行為となるため、購入時には仕様を確認することが非常に重要です。
また、ファットバイク特有の特徴として、極太タイヤを装備し、車体が大きい点が挙げられます。このため、ファットバイクは歩道を走行することができません。電動アシスト自転車に分類されるファットバイクも、車道での利用が基本とされており、歩道は歩行者専用のスペースとして法律で保護されています。特に、交通量の多い場所では歩道を利用することが危険なだけでなく、法的にも認められていないため、車道を走行するルールを守ることが大切です。
取り締まりの対象になるか
ここ数年、違法に改造された電動アシスト自転車が増加しており、特に警察が取り締まりを強化している状況です。こうした違法車両の増加背景には、規制を超える出力や速度性能を備えた海外モデルが国内で広がっていることや、スロットル機能の後付けなどで改造されるケースがあるからです。警察は一般的に電動アシスト自転車として販売されているかにかかわらず、基準に違反している車両がないかを重点的にチェックしています。
まず、違法かどうかを判断する大きなポイントの一つが「スロットル機能の有無」です。スロットル機能とは、ペダルを漕がずともモーターの力のみで走行できる仕組みであり、日本の電動アシスト自転車の基準では認められていません。スロットル付きの電動アシスト自転車はエンジンを備えた車両、つまり「原動機付自転車」として分類されるため、無免許での走行やヘルメットの未着用などで取り締まり対象となります。
さらに、アシスト速度とアシスト比率の規格違反も取り締まりの重要なポイントです。道路交通法では、アシスト速度は時速24kmを超えないこととされ、これを超えると自動的にアシスト機能が停止する仕様でなければならないと定められています。また、ペダルの力に対するアシスト比率も1:2までに制限されており、これ以上の出力が加わる場合には、自転車ではなく原動機付自転車として取り扱われる可能性が高くなります。時速24km以上でアシストが動作し続ける車両や、アシスト比率が規定以上である車両は違法改造と見なされます。
また、違法車両であっても見た目だけでは正規の電動アシスト自転車かどうかを判断するのは難しいことも多く、警察は必要に応じて1台ずつ停車させ、スロットルや速度制限の機能などが適法であるかを確認しています。違法改造された車両を公道で運転することは、取り締まりの対象となるばかりでなく、事故時に大きなリスクが伴います。たとえば、違法車両で事故を起こした場合には自転車保険が適用されないケースもあるため、罰則に加え、経済的にも大きな負担となり得ます。したがって、購入時や使用時には、車両が道路交通法に適合しているかを確認し、安全で合法的に使用することが重要です。
違法じゃない電動ファットバイクを紹介
日本製メーカー
日本製の電動ファットバイクには、安全性や性能面で信頼性の高いブランドが多く揃っており、特に日本の公道で安心して走行できるよう、法律に基づいた製品設計が行われています。国内で人気のある電動ファットバイクメーカーには、ヤマハやROCKA FLAME、さらにヤディアなどがあり、いずれも道路交通法の基準に適合したモデルを提供しています。
まず、ヤマハは長年にわたり自転車や二輪車の技術を開発し続け、最新技術を活かした高品質な電動ファットバイクをリリースしています。安全性や走行性能へのこだわりが深く、特に「CROSSCORE RC」などは、快適な走行性能と高い走行距離を実現しており、国内ユーザーからも信頼されています。
東京発の「ROCKA FLAME」も、スタイリッシュで無骨なデザインが特徴のブランドで、ファッション性と性能を兼ね備えた電動ファットバイクを製造しています。すべてのモデルが国家公安委員会の型式認定を取得しており、車道や歩道を含む公道での使用が可能です。また、東京都内にショールームを設置しており、試乗ができるため、購入前に自分で体験しながら選ぶことができる点も人気の理由です。
さらに、世界的に評価が高い「ヤディア」も日本市場に参入し、電動バイクや電動アシスト自転車の製造を通じて、信頼できる性能と環境への配慮を重視した製品を提供しています。ヤディアは自社で製造工場と研究開発センターを複数所有し、特に安全性や耐久性の面で業界をリードするメーカーです。
ヤマハのおすすめモデル
ヤマハが展開する電動ファットバイクの中で、特におすすめのモデルは「CROSSCORE RC」です。
このモデルは、電動自転車でありながらスポーティーな走行性能を発揮し、舗装路から未舗装の荒れた路面まで安定して走行できる点が大きな魅力です。27.5×2インチという太めのタイヤを装備しており、衝撃吸収力や路面との接地感が高まるため、通勤や長距離のサイクリングにぴったりです。
さらに、CROSSCORE RCにはヤマハの最新技術である「クワッドセンサーシステム」が搭載されています。このシステムは、走行状況に応じて最適なアシストを行うため、従来の電動自転車に比べてきめ細かいアシストが実現しています。たとえば、勾配のある道や、細かくスピードを変えながらの走行でも、ライダーに負担を感じさせずに自然なアシストを行うのが特徴です。
また、このモデルは大容量の500Whバッテリーを搭載し、1回の充電で最大200kmもの距離を走行できるため、長時間のライドにも対応可能です。加えて、車体には軽量で耐久性のあるアルミフレームが使用され、扱いやすく、バッテリーや装備を含んでも軽量な設計となっているため、気軽に持ち運ぶことも可能です。以下にCROSSCORE RCの主なスペックをまとめます。
| スペック項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイヤサイズ | 27.5×2インチ |
| バッテリー容量 | 500Wh |
| 最大走行距離 | 約200km |
| ギア | 外装9段 |
| フレーム | 軽量アルミ |
| アシスト機能 | クワッドセンサーシステム |
| 用途 | 通勤、サイクリング、オフロード走行対応 |
このように、CROSSCORE RCは多用途に使える電動ファットバイクであり、充電一回での走行距離の長さやアシスト機能の優れた性能が特徴です。ロードや軽いオフロードに対応できるスポーティーな電動自転車を求める方には特におすすめです。また、ヤマハのクワッドセンサーシステムにより、坂道や不整地でもアシストがスムーズに切り替わるため、どんなシーンでも快適にライドを楽しむことができます。
コストコのおすすめ
コストコでおすすめの電動ファットバイクには、ROCKA FLAME 20インチ 電動アシストファットバイク「MAKAMI」があります。
ROCKA FLAME MAKAMIの主な特徴
- 20インチ×4インチ極太タイヤ：悪路でも高い安定性を発揮。
- BAFANG製モーター：信頼性と耐久性に優れた高品質モーター。
- INNOVA製タイヤ：耐摩耗性とグリップ力が高い。
- 鉄板ディスクブレーキ：制動力が高く、安全性を強化。
- LEDライトとツインポールハンドル：夜間や悪路での視認性と操作性をサポート。
このモデルは、電動アシストファットバイクの中でも太めの20インチ×4インチの極太タイヤを搭載しており、砂利道や凸凹のある道でも安定して走行ができるのが特徴です。広い接地面があることでタイヤのグリップ力が強く、特に悪路や舗装の荒れた場所での高い走行安定性が期待できます。また、バイク用のライトや安定感の高いツインポールハンドルも装備され、夜間や悪天候下での視認性と安全性が考慮されています。
MAKAMIには、モーターに世界的に信頼されるBAFANG（バーファン）製モーターを採用しており、モーターの信頼性や耐久性も抜群です。BAFANGは欧米をはじめとする高品質なE-バイクに広く採用されているメーカーで、モーターの出力と持続性に優れています。さらに、タイヤには高品質で知られるINNOVA（イノバ）製タイヤが使われており、耐摩耗性が高く、さまざまな路面状況に対応できるよう設計されています。
また、ブレーキには強度が高く制動力のある鉄板ディスクブレーキが前後に搭載されています。このブレーキシステムは、たとえスピードが出ているときでも急停止が可能で、安全性が高いのが特徴です。ディスクブレーキによってどんな速度でも安定した制動が可能であるため、未舗装の砂利道や下り坂でもしっかりと車体をコントロールできます。
このように、ROCKA FLAME「MAKAMI」は安定性と安全性を重視して設計されており、夜間走行や悪路走行にも適しているため、オフロードや街乗りのどちらにも対応できる万能な電動ファットバイクです。
26インチのメリット・モデル
26インチモデルのメリット
- スピードが出しやすい
- 走行時の安定感が高い
- 凸凹や段差をスムーズに越えられる
- 振動を抑えた快適な走行が可能
- 荒れた路面や雪道でも安定
26インチホイールの電動ファットバイクは、特に安定性や走行性能に優れたモデルです。20インチと比べて直径が大きい26インチのホイールは、スピードを出しやすく、走行時の安定感も格段に増します。これにより、舗装された道から多少荒れた路面まで、どのような道でもスムーズな走行が可能です。加えて、ホイールの大きさがあることで、凸凹道や段差のある道でもバランスを保ちやすく、ファットバイク特有の太いタイヤと組み合わさることで砂利道や雪道でも振動を抑え、より快適に走行できます。
26インチモデルの代表例として挙げられるのが、電動モビリティ市場で実績のあるヤディアのファットバイクです。ヤディアは、環境に優しい電動アシスト技術の開発に力を入れており、高性能と環境配慮を兼ね備えた製品を提供しています。また、もうひとつの26インチモデルとして人気のあるのがXDSの電動ファットバイクです。XDSは最先端のエコテーマパーク工場で製造されており、耐久性や乗り心地の良さが特長です。
あさひにも売ってる？
大手サイクルショップ「あさひ」では、ファットバイクの人気モデルとしてBRONX BUGGY（ブロンクスバギー）が販売されています。
このモデルはアメリカンバイク風のデザインで、太めの20インチ×4.0インチタイヤが特徴です。極太タイヤによって安定感が増し、舗装された道路はもちろん、砂利道や少し荒れた路面でも安心して走行が可能です。また、タイヤのボリュームによって衝撃吸収性が高まり、悪路でも快適な乗り心地を提供します。
さらに、ブロンクスバギーはパワフルなアシスト機能を備えており、坂道でもスムーズに走れる性能が魅力です。あさひ限定仕様でLEDライトが標準装備されているため、夜間走行時の視認性や安全性が高く、日常の通勤や夜間の街乗りに適しています。バッテリーには信頼性のあるパナソニック製セルが使用され、最大55kmのアシスト走行が可能です。
さらに、ブロンクスバギーは便利なUSBポートを搭載しており、走行中にスマートフォンなどのデバイスを充電できるのもユーザーに好評です。
