電動自転車のチェーンが外れた！直し方と原因・予防策を徹底解説

こんにちは。電動自転車は究極のママチャリである、管理人の「yuri」です。

保育園の送り迎えや買い物で毎日フル稼働してくれる電動自転車ですが、急いでいる時に限って「ガチャン！」という嫌な音とともにペダルが空回りする……そんなチェーン外れのトラブルに見舞われたことはありませんか？「

どうしよう、動かない」「遅刻しちゃう」と焦ってしまう気持ち、私自身も経験があるので痛いほどよく分かります。この記事にたどり着いたあなたは、今まさに外れたチェーンをどうにかして直したい、あるいは修理にかかる料金や手が汚れない賢い方法はないかと、必死に情報を探しているのではないでしょうか。

特にパナソニックやヤマハ、ブリヂストンといったメーカーごとに構造が違ったり、チェーンカバーがあって中が見えなかったりと、電動自転車特有の難しさがありますよね。でも、安心してください。ここでは、機械が苦手な初心者の方でも落ち着いて対処できるよう、状況別の具体的な復旧手順から、二度と同じトラブルを繰り返さないための予防策まで、私の経験を交えて徹底的に分かりやすくお話しします。

電動自転車のチェーンが外れた時の直し方と応急処置

「バキッ」という破裂音のような音とともに、足元の感覚がフッと軽くなるあの瞬間、本当に心臓が止まりそうになりますよね。ですが、ここで一番大切なのは「焦って無理やり動かさないこと」です。

チェーンが変な場所に噛み込んだ状態でペダルを強く踏むと、チェーン自体がねじれたり、大切なフレームを削ってしまったりと、被害が拡大してしまいます。まずは深呼吸をして、自転車を安全な場所に停めましょう。ここでは、まず最初にやるべき絶対的な安全対策と、あなたの自転車のタイプに応じた具体的な直し方を、手順を追って見ていきます。

作業前にバッテリーを外して安全を確保する

作業を始める前に、これだけは絶対に守ってほしい鉄則があります。それは、必ず電源を切り、さらにバッテリー本体を自転車から物理的に取り外すことです。「電源ボタンでオフにしたから大丈夫でしょ？」と思われるかもしれませんが、その油断が大きな事故を招く可能性があります。

電動アシスト自転車には「トルクセンサー」という、ペダルを踏む力を検知する非常に敏感なセンサーが搭載されています。チェーンを掛け直そうとして、手でクランク（ペダルの軸）を回したり、チェーンを引っ張ったりした拍子に、センサーが「人が漕いだ」と誤検知してしまうことがあるのです。もしその瞬間に何らかの拍子で電源が入っていた場合、モーターが全力でアシストを作動させます。

人間の脚力の2倍以上のアシスト力が指先に加わったらどうなるか、想像するだけで恐ろしいですよね。チェーンと鋭利なギアの間に指が挟まれれば、骨折や切断といった取り返しのつかない大怪我に繋がります。こういったリスクをゼロにするために、電気の供給源であるバッテリーは必ず抜いて、足元に置いてから作業を始めてください。

【危険】絶対に守ってください
モーターの力は強大です。万が一の誤作動や電源の切り忘れを防ぐため、どんなに急いでいてもバッテリーは必ず取り外し、物理的に通電しない状態にしてから作業を開始してください。あなたの指を守るための最優先事項です。

パナソニック等の内装変速での直し方手順

街中でよく見かける「ママチャリタイプ」の電動自転車、特にパナソニックの「ビビ」シリーズや「ギュット」シリーズなどで採用されているのが、ギアが後輪のハブの中に隠れている「内装変速機」というタイプです。

このタイプはメンテナンスフリーで丈夫なのが魅力ですが、トラブルが起きた時に厄介なのが「チェーンケース（カバー）」の存在です。

多くのモデルでチェーン全体がケースで覆われており、「中が見えないからどうなってるか分からない！」とパニックになりがちです。もし、チェーンが後ろのギアから落ちてしまっている場合、以下の詳細な手順を落ち着いて試してみてください。

1. まずは自転車を平らで安全な場所に移動させ、スタンドをしっかりと立てます。
2. チェーンケースの後ろ側、車軸の近くを見てください。小さなスライド式の「点検窓」やゴム製のキャップがあるはずです。ここを開けると、中のギアとチェーンが見えます。
3. ケースの下側から手を入れ（隙間が狭いので注意！）、垂れ下がっているチェーンを指でつまみます。
4. つまんだチェーンを、ギアの下側に優しくあてがいます。※この時、絶対にペダルを前に回してはいけません。チェーンが暴れてケース内で絡まる原因になります。
5. チェーンをギアの下側に引っ掛けた状態をキープしつつ、クランク（ペダル）をゆっくりと「後ろ（逆回転）」に回します。

ここが最大のポイントです。内装変速機の多くは、ペダルを逆回転させると、後輪のギアも連動して逆回転する構造になっています。そのため、下側からチェーンをあてがって逆回しすることで、スルスルとチェーンが巻き上げられ、カチャンと元の位置に収まることが多いのです。ただし、回している途中で「ガッ」と硬い抵抗を感じたら、すぐにストップしてください。無理に回すとチェーンが切れる恐れがあります。

パナソニック車の特徴：テンショナーを確認
パナソニックの一部のモデルには、モーターの後ろ側に「チェーンテンショナー」という、バネの力でチェーンの張りを調整する小さなアーム状の部品がついています。泥や油汚れでこのアームが固着し、動きが悪くなっていると、チェーンがダルダルにたるむ原因になります。直す際は、このテンショナーがスムーズに上下に動くかどうかも指で押して確認し、もし固まっていたら潤滑スプレーを吹いてあげると再発防止になります。

スポーツタイプや外装変速でのチェーンの掛け方

ジェッターやハリヤといったe-bike、クロスバイクタイプ、あるいは一部のシティサイクルで採用されている「外装変速機（ディレイラー）」がついているタイプの場合は、構造が露出しているので比較的直しやすいのが救いです。

このタイプの場合、チェーンが外れるのは主に「前側のギア（チェーンリング）」からであることが多いです。

チェーンが外側に落ちたり、内側のフレームとの隙間に落ちたりしますが、基本的な直し方は共通しています。以下の手順で行えば、特別な工具なしで復旧可能です。

1. まず、リアディレイラー（後ろの変速機）に注目してください。下の方に伸びているアーム（プーリーがついているケージ部分）があります。
2. このアームを指でグイッと前方（ハンドル側）に押し込みます。バネの抵抗がありますが、恐れずに押してください。
3. そうすると、ピンと張っていたチェーンが一気に緩んで「ダルダル」の状態になります。
4. チェーンに余裕ができたら、その隙に外れているチェーンをつまみ、前側のギアの歯に一番近いところへ乗せます。
5. アームを押していた指をゆっくり離すと、チェーンに再び張りが戻ります。
6. 最後に、ペダルを手でゆっくりと正回転させ、チェーンが完全にギアと噛み合うか確認します。

この「後ろの変速機を押してチェーンを緩める」というテクニックさえ知っていれば、力のない女性でも簡単にチェーンを元の位置に戻すことができます。ギアの歯に指を挟まないようにだけ、十分に注意して作業してくださいね。

内側に落ちた場合の注意点

もしチェーンが前側のギアのさらに内側、フレームとの間に落ちて噛み込んでしまっている場合は、無理に引っ張り上げないでください。フレームの塗装を傷つけたり、チェーンリングが曲がったりする原因になります。その場合は、チェーンを少しずつ動かしながら、噛み込みを優しく解くようにして取り出してください。

手が汚れない道具を使った簡単な復旧方法

チェーンのトラブルで何が一番嫌かと言えば、あのドロドロの黒い油汚れですよね。一度手につくと石鹸でもなかなか落ちず、服についたらシミになってしまいます。これから仕事や人に会う約束がある時に、手が油まみれになるのは何としてでも避けたいところです。

そんな時に役立つのが、身近にあるものを活用する「手を汚さないテクニック」です。もしティッシュやウェットティッシュを持っていなくても、周囲を見渡せば使えるものがあるかもしれません。

• 落ちている小枝や割り箸： これが最強のツールです。チェーンを直接指で触るのではなく、適度な太さの枝や割り箸を使ってチェーンを引っ掛け、ギアの歯へと誘導します。特にスポーツタイプの手順（ディレイラーを押す作業）以外なら、棒一本で完結できることも多いです。
• レジ袋やビニール袋： もしカバンの中にコンビニの袋があれば、それを手袋代わりに手にはめて作業しましょう。使い終わったら裏返して捨てれば、手は一切汚れません。
• 大きめの葉っぱや紙切れ： チェーンをつまむ部分に葉っぱや不要なレシートなどを当てて、直接油に触れないようにするだけでも随分違います。

スマートな対処法
外出先でのトラブルに備えて、サドルバッグやカバンのポケットに「使い捨てのビニール手袋」を1枚忍ばせておくと、いざという時に神アイテムになります。100円ショップのもので十分なので、お守り代わりに常備しておくことを強くおすすめします。

ヤマハ等のカバー付きで直らない時の対処法

ヤマハのPASシリーズやブリヂストンのアシスタなど、チェーン全体がプラスチックのフルカバーで覆われているモデルでどうやっても直らない、あるいはクランクが全く動かなくなってしまった場合は、事態が少し深刻かもしれません。

特に恐ろしいのが「ジャム（チェーンの噛み込み）」です。チェーンがギアから単に外れただけでなく、ギアとケースの間や、ギアとフレームの極めて狭い隙間にガッチリと食い込んでロックしてしまう現象です。この状態になると、ペダルは前にも後ろにも動きません。

「チェーン落ち」と呼ばれる、フレーム側にチェーンが落ちて食い込んだケースでは、外側からいくら引っ張っても取れないことがほとんどです。

ここで焦って力任せにチェーンを引っ張ると、樹脂製のチェーンケースがバキッと割れたり、チェーン自体が変形して使い物にならなくなったりします。

カバーを開けて内部にアクセスするにはプラスドライバーなどの工具が必要ですし、食い込みを解消するには後輪のナットを緩めたり、場合によってはクランクそのものを専用工具で外したりする必要があります。路上でこの作業を行うのは、一般の方にはほぼ不可能です。

こうなってしまったら、残念ながら自力での復旧は諦める勇気も必要です。無理をせず、近くの自転車屋さんまで押していくか、加入している自転車保険のロードサービスを利用するのが最も賢明な判断です。無理に修理しようとして高価な部品を壊してしまうより、プロに数千円払って直してもらう方が、結果的に安く、そして確実に直ります。

電動自転車のチェーンが外れた原因と今後の予防策

なんとかチェーンを掛け直して「ふぅ、よかった」と安心しても、数日後、あるいは数キロ走っただけでまた「ガチャン！」と外れてしまった……そんな悔しい経験はありませんか？

実は、電動自転車のチェーン外れは偶然起こるものではなく、そこには必ず物理的な原因があります。単に直すだけでなく「なぜ外れたのか」を知り、根本的な対策をすることが、快適な自転車ライフを取り戻す鍵となります。

チェーンがすぐ外れる原因と伸びのメカニズム

「電動自転車はチェーンが伸びやすい」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは決して都市伝説ではなく、電動アシストというシステムの宿命とも言える事実です。

電動自転車は、人間がペダルを踏む力（人力）1に対して、モーターが最大で2のアシスト力を加えることが法律で認められています。つまり、発進時や急な坂道では、通常の人力自転車の3倍近い強烈なパワーがチェーン一本にかかっているのです。

チェーンは金属のプレートとピンで繋がれていますが、この強力な引っ張り負荷によって、ピンとそれを受ける穴（ブッシュ）が激しく擦れ合います。この摩耗によって金属がわずかに削れ、その隙間の分だけチェーン全体の長さが伸びてしまうのです。これを「チェーンの伸び」と呼びます。

新品のチェーンはギアの歯の形にピッタリ合うように作られていますが、伸びてしまったチェーンは歯との間隔（ピッチ）が合わなくなります。すると、チェーンが歯の谷底までしっかり入らず、歯の先端付近に乗っかるような不安定な状態（浮き上がり）になります。この状態で、路面の段差による振動や変速時の横方向の力が加わると、チェーンは簡単に歯を乗り越えて脱落してしまうのです。これが、チェーン外れの最大のメカニズムです。

（出典：消費者庁『電動アシスト自転車の製品事故情報について』）

自分でできるチェーンのたるみ調整と張り方

内装変速機（ママチャリタイプ）に乗っている方にとって、チェーンの「張り（テンション）」管理は非常に重要です。チェーンケースの下側、点検窓や隙間からチェーンに触れてみてください。理想的な張り具合は、チェーンの真ん中あたりを指で軽く上下に動かしたとき、その振れ幅が1cm〜2cm程度であることです。

もし、指で押すと3cm以上もダルダルに動くようであれば、それは明らかに「たるみすぎ」のサインです。段差を乗り越えた衝撃でチェーンが大きく波打ち、簡単に外れてしまいます。これを調整するには、後輪の車軸を後ろに引っ張って固定し直す必要があります。

具体的な調整方法は、後輪のハブ軸にある「チェーン引き」という金具のナットを締め込むことですが、これを行うには15mmのスパナや10mmのレンチといった工具が必要です。また、後輪を動かすとブレーキの位置もズレてしまうため、同時にブレーキ調整も必須となります。

ブレーキ調整を失敗すると事故に直結するため、DIYに自信がない方は無理をせずプロに任せるのが安全です。しかし、「チェーン引きのナットを半回転させるだけ」で劇的に改善することもあるので、仕組みを知っておいて損はありません。

注油も忘れずに！
チェーンが赤茶色に錆びていると、錆自体が研磨剤のようになり、摩耗スピードが劇的に加速します。雨の日の後などは必ず注油しましょう。「キュルキュル」という音が聞こえたら、それはチェーンからの「助けて！」という悲鳴です。

自転車店に依頼する場合の修理費用の相場

「自分で触って壊すのが怖い」「原因を根本から断ちたい」という場合、自転車屋さんに頼むとどれくらい費用がかかるのでしょうか。お店によって料金設定は異なりますが、2025年現在の一般的な相場観をご紹介します。事前にこれくらいの金額を知っておけば、お店で慌てずに済みますね。

単純に外れたものを戻すだけなら千円程度で済みますが、もしチェーンが限界まで伸びていて交換が必要な場合、数千円から一万円程度の出費になります。

特に、伸びたチェーンを使い続けた結果、ギアの歯まで削れてしまっていると、チェーンとギアの両方を交換しなければならず、修理費が高額になります。「おかしいな」と思ったら早めに相談することが、結果的に節約に繋がります。

チェーン交換の時期と注油などの予防策

では、チェーンはどれくらいで交換すべきなのでしょうか？電動自転車のチェーン寿命は、乗り方や走行環境にもよりますが、一般的に3,000km〜5,000km程度と言われています。

毎日片道5kmの通勤・通学で使用した場合、早ければ1年〜2年で寿命を迎えることも珍しくありません。特に、常に「強モード」で激しい坂道を登るような使い方だと、もっと早く寿命が来ることもあります。

交換時期の判断は「チェーンチェッカー」という専用工具がないと難しいですが、感覚的なサインとしては、「チェーン引きで調整してもすぐにまた緩むようになった」「ペダルを漕ぐとカチャカチャと異音がする」「頻繁に外れるようになった」といった症状が出たら、もう寿命だと考えて良いでしょう。

今日からできる最強の予防策：ギアチェンジの習慣

最後に、お金をかけずに今日からすぐに実践できる、最も効果的な予防策をお伝えします。それは、「信号などで止まる前に、必ずギアを軽くする」ことです。

多くの人がやりがちなのが、一番重いギア（3速など）に入れたまま停止し、再発進する時もそのまま重いギアで「よいしょ！」と漕ぎ出すことです。実はこれ、チェーンにとっては拷問に近い行為なんです。ゼロからの発進時に一番トルクが必要なのに、重いギアだと人間も踏ん張るし、モーターも「負けるか！」と最大パワーを出します。この瞬間、チェーンには凄まじい力がかかり、寿命を一気に縮めてしまいます。

停止する手前でカチャカチャとギアを1速（一番軽いギア）に落とす。そして軽いギアでスムーズに発進し、スピードに乗ってきたらギアを上げる。車のマニュアル運転と同じこの操作を習慣にするだけで、チェーンへの負担は激減し、バッテリーの持ちも良くなります。ぜひ、今日から意識してみてください。

まとめ：電動自転車のチェーンが外れた際の重要点

今回は、電動自転車のチェーンが外れた時の対処法や原因、そして予防策について詳しくお話ししてきました。突然のトラブルは本当に困りますが、仕組みを知っていれば慌てずに対処できるはずです。

日頃のちょっとしたメンテナンスと乗り方の工夫で、愛車を長く快適に乗ってあげてくださいね。もし「自分では無理かも」「直してもすぐ外れる」と思ったら、迷わずプロを頼りましょう。安全第一で、快適な電動自転車ライフを楽しんでください！